「ホームページを作りたいけれど、いくらかかるのか見当もつかない」「制作会社から提示された見積もりが妥当なのか判断できない」──Web制作の発注担当者の多くが抱える悩みです。2026年現在、AI技術の普及、セキュリティ基準の厳格化、モバイル最適化の高度化により、Web制作の料金体系は数年前と比べて大きく変化しています。
本記事では、5,000社以上の見積もりデータや公的補助金情報、業界各社の最新公表データを統合し、2026年のWeb制作料金相場をサイト規模別・業種別・依頼先別に徹底解説します。さらに、価格が高騰している理由、見積もり項目の内訳、補助金の活用方法、失敗しない発注のコツまで、1記事で発注判断に必要な情報を網羅的にお届けします。

2026年のWeb制作料金相場の全体像
まずは依頼先別の費用感を俯瞰しましょう。
同じ10ページのサイトでも、依頼先によって数倍から10倍以上の差が生まれるのが現在の市場の特徴です。
依頼先別の料金相場早見表
2026年時点で各業界が公表しているデータを統合すると、依頼先別の相場は以下のように整理できます。
小規模の制作会社は30〜80万円、中規模の制作会社は60〜100万円、大規模の制作会社は100〜300万円、広告代理店は80〜300万円、フリーランスは10〜30万円が一つの目安です。
別の調査では自作(月額数千円〜)、フリーランス(10万〜50万円)、Web制作会社(50万〜300万円以上)、サポート付きCMS(初期5万円台〜・月額6,000円台〜)という整理もされており、依頼先による幅は依然として大きい状況です。
また、30ページ程度の中規模なコーポレートサイトを中小規模の制作会社に依頼すると80万〜150万円、大手の制作会社では少なくとも300万円以上が必要というデータもあり、サイト規模と依頼先の組み合わせで価格は大きく変動します。
サイト規模別の費用目安
ページ数や機能要件で大まかに分けると、次のような価格帯になります。
- 小規模サイト(1〜10ページ):10万〜80万円。
個人事業主や創業期の企業向け - 中規模サイト(10〜30ページ):80万〜300万円。
集客やブランディングを意識した一般的な企業サイト - 大規模サイト(30ページ以上・特殊機能あり):300万〜1,000万円以上。
多言語対応や会員機能などを実装するケース
「定価」というものは存在せず、目的・ページ数・依頼先・必要な機能の掛け合わせで料金が決まることを最初に押さえておきましょう。
近年は、AIやノーコードツールの普及によって「格安で作れるサービス」と「高品質な制作会社」への二極化が加速しており、適正相場の判断はかえって難しくなっています。
定額制と納品型の費用形態の違い
制作会社への支払い形態は大きく2種類あります。
納品型は完成時に一括で支払う形式で、初期費用が高くなりますが月額コストは抑えられます。
定額制(サブスク型)は初期費用を抑えて月額で支払う形式で、キャッシュフローを重視する経営者に向いています。
ただし長期間利用すると総額が高くなる場合もあるため、契約期間と解約条件は事前に確認することが重要です。
サイトの種類・目的別の料金相場
同じ「Webサイト制作」でも、目的によって必要な機能や工数は大きく異なります。
ここではよく依頼される5種類のサイトについて、2026年の最新相場を整理します。
コーポレートサイトの相場
会社の「顔」となるコーポレートサイトは、役割と規模によって価格が変動します。
コーポレートサイトの相場は10万〜300万円以上と幅が広く、名刺代わりのシンプルなものから採用・IR・ブランディングを兼ねた本格的なものまで含まれます。
業界平均としては集客型コーポレートサイトで50万〜150万円が一般的な相場とされており、中小企業の標準的な発注価格帯はこのレンジに収まるケースが多くなっています。
LP(ランディングページ)の相場
広告流入を受け止めるLPは1ページで完結するため、サイト全体を作るより安価です。
LP(ランディングページ)は10万〜60万円以上が目安で、アニメーションや独自イラスト、撮影を含めると上限を超えるケースもあります。
ECサイトの相場
ECサイトは構築方法によって価格帯が大きく分かれるのが特徴です。
ASPを使ったECサイトの立ち上げなら50万円程度、オリジナルの開発なら500万円以上の制作費用がかかることも珍しくありません。
2026年の現場感覚としては、ネット上の安価な相場は「SaaSやASPの既存テンプレートをそのまま使い、自分たちで設定した場合」の最低価格であり、ブランドの世界観を表現するためのオリジナルデザインの制作やコンテンツ制作、SaaSへの緻密な組み込み(フロントエンド開発)をプロに依頼すると、300万円前後のコストがかかるのが実態です。
また、BtoB ECは企業間取引特有の機能(顧客別価格設定・掛け払い対応・承認フロー・見積書自動発行など)が必要となるため、同規模のBtoC ECと比較して30〜100%程度費用が上がる傾向にあります。
フルスクラッチはゼロからECサイトを構築することから、開発費用は数千万円になるケースもあります。
採用サイト・オウンドメディア・ポータルサイト
採用サイトはコンテンツ品質が成果を左右するため、コーポレートサイトより取材・撮影費が膨らむ傾向があります。
オウンドメディア制作は20万〜300万円以上、ECサイトやポータルサイトだと最高500万円〜以上かかる傾向にあります。

依頼先別のメリット・デメリット
同じ予算でも「どこに依頼するか」で得られる成果物は大きく変わります。
制作費用の大部分は人件費であり、組織形態がそのまま価格差に直結します。
大手・中堅Web制作会社
大手のホームページ制作会社に依頼した場合、費用相場はおおよそ100万円〜500万円以上になるのが一般的です。
豊富な実績と分業体制による安定した品質が魅力ですが、管理費や中間コストが上乗せされる傾向があります。
中堅の制作会社では、中小規模のホームページ制作会社に依頼する場合、費用相場は50万円〜300万円程度が目安とされ、価格と柔軟性のバランスが取りやすい依頼先として人気があります。
フリーランス・副業デザイナー
フリーランスは同じ10ページのサイトでも、フリーランスなら30万円、大手制作会社なら200万円以上になるケースも珍しくありません。
コストを抑えやすい一方、対応範囲やスキルに個人差が大きいことが課題です。
2024年11月施行の「フリーランス新法」により、取引条件の明示が義務化されました。
契約内容・納期・報酬・修正回数の取り決めが曖昧な相手は避けるべきです。
広告代理店・サポート付きCMS
広告代理店はマーケティング全体を任せられる強みがありますが、Web制作に対応できない広告代理店に依頼した場合、費用の20%〜50%程度を仲介料として支払わなければなりません。
普段から取引のある企業に向く選択肢といえます。
サポート付きCMSは、サーバー代(月額500円〜2,000円程度)・ドメイン代(年間1,000円〜3,000円程度)・SSL費用が必須といった運用コストを抑えながら、自社で更新できる体制を作りたい中小企業に向きます。
Web制作費用の内訳を理解する
見積書には複数の項目が並びますが、各項目の意味を知っておくと相見積もりで損をしません。
ディレクション・設計費
プロジェクトを円滑に進めるための要となる費用です。
ディレクション費用は、サイトの規模や制作会社によって異なりますが、一般的に5万円~20万円程度で、おおむね見積総額の10%~30%がかかるイメージと覚えておくと相場感が掴めます。
デザイン費・コーディング費
デザイン費用はトップページで一般的に5万円~20万円程度です。
独自性の高いデザインや複雑なレイアウトが必要な場合はさらに高額になります。
1ページ単位で見ると、ウェブデザイン制作の費用・料金相場はページの種類によって異なる場合が多く、1ページあたり10,000〜200,000円と幅があります。
コーディング費はページ数や動的コンテンツの多さで変動します。
レスポンシブ対応はほぼ必須要件となっており、これが含まれない見積もりには注意が必要です。
保守・運用費とサーバー・ドメイン費
サイトは作って終わりではなく、運用フェーズで継続的な費用が発生します。
保守管理費用は月額5,000円~20,000円程度。
規模が大きいサイトほど費用が高くなる傾向があります。
あきばれホームページの公表データでは、制作会社に保守・更新を依頼する場合は月額1万〜3万円程度が加わり、合計すると月額5,000円〜3万円程度が目安とされています。
公開後3年間で総コストを試算し、初期費用だけで判断しないことが重要です。

2026年にWeb制作費が高騰している理由
「数年前より見積もりが高くなった」と感じる方は多いはずです。
これは制作会社が利益を増やしているからではなく、Webサイトに求められる標準スペックが上昇しているためです。
セキュリティ基準の厳格化
2026年のWeb制作費が高騰している背景には、セキュリティ基準の厳格化、スマホ最適化の必須化、そしてWebサイトが担う役割の高度化という明確な理由があります。
SSL常時化、改ざん検知、不正アクセス対策など、以前はオプション扱いだった項目が今や標準実装となりました。
モバイル最適化とアクセシビリティ対応
2020年頃までは「オプション」扱いだった機能が、2026年の現在では「標準実装」必須となり、それが制作工数の増加に直結しています。
特に影響が大きいのが、高度化したセキュリティ対策、モバイルファーストを前提とした複雑なデザイン設計、そして法改正やアクシビリティへの対応です。
Webサイトの役割高度化
業種別の具体例として、以前は「診療時間と地図が載っていれば十分」でしたが、現在は「Web予約」や「LINE連携」が集客の生命線です。
これらを実装する場合、単なるホームページ制作ではなく「システム開発」に近い領域に踏み込むことになります。
数年前の感覚で「高い」と判断して安易な格安業者に依頼すると、セキュリティ事故や検索順位の大幅下落といった取り返しのつかないリスクを背負う可能性があります。
業種別に見るWeb制作費の傾向
業種ごとに必要な機能と訴求ポイントが異なるため、相場にも特徴が出ます。
業種別の費用感を知っておくと、自社にとって妥当な見積もりを判断しやすくなります。
製造業・BtoB企業
製品スペック・導入事例・技術情報など掲載すべき情報量が多く、検索流入を狙う設計が重要です。
コーポレートサイト+簡易オウンドメディアで150万〜400万円程度が中心レンジ。
多言語対応や製品検索機能を入れると500万円超になることもあります。
医療・士業・サロン
Web予約、LINE連携、地域SEOが集客の鍵となるため、テンプレート型の格安サイトでは差別化が難しい領域です。
2026年現在は、患者様の個人情報を扱うサイトへのセキュリティ要件が非常に厳しく、安価なテンプレート制作では対応しきれないケースが増えています。
100万〜300万円の予算が現実的です。
EC・小売業
商品点数・物流連携・決済方法の多様性で大きく価格が変わります。
スモールスタートならShopifyやBASEで30万〜100万円、年商1億円規模を目指すなら300万〜800万円、年商10億円超のフルカスタマイズなら1,000万円以上が一つの基準です。
採用・人材業界
求職者の体験設計と社員インタビュー記事制作が中心的なコストとなります。
撮影・取材・原稿制作を込みで150万〜500万円程度が標準。
動画コンテンツを含めるとさらに上振れします。
補助金・助成金を活用してコストを抑える
Web制作費は国や自治体の補助金で大幅に圧縮できる可能性があります。
2026年度も主要な補助制度は継続される見通しです。
小規模事業者持続化補助金
中小企業庁が運営する代表的な制度です。
小規模事業者等の販路開拓を支援する「小規模事業者持続化補助金」は、チラシ・ホームページ・ECサイト・店舗改装・新サービス開発など、売上アップや業務効率化に直結する取り組みの経費を、原則2/3(条件を満たすと最大3/4)まで補助してくれる制度です。
一般的なケースでは上限50万円、インボイス特例や賃金引上げ特例を組み合わせると補助上限が最大250万円まで広がります。
2026年の公募スケジュールについては、一般型(通常枠)第19回は公募要領公開が2026年1月28日、申請受付開始が2026年3月6日、申請受付締切が2026年4月30日17時となっています。
IT導入補助金(2026年からデジタル化・AI導入補助金へ)
ECサイトやCMS導入の補助に活用されてきた制度ですが、IT導入補助金は令和8年度から「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変わりました。
AIツールやデジタル化に直結する投資との組み合わせで活用できる可能性があります。
補助金活用時の注意点
補助金は採択前に発注すると対象外になります。
必ず採択・交付決定後に契約・着手しましょう。
また採択発表まで数か月、入金は事業完了後の精算払いとなるため、一時的に自己資金で立て替える必要があります。
2026年度は採択から交付決定の間に見積書の提出が必須となっており、不正受給の防止および価格の妥当性確認のため、適正な価格が証明できる見積書をあらかじめ準備しておく必要があります。
失敗しないための見積もり比較と発注のコツ
同じ要件でも会社によって見積もり額が数倍違うことは珍しくありません。
適正価格で発注するためには、相見積もりを取り、内訳を細かく比較することが必須です。
RFP(提案依頼書)を作成して条件を揃える
サイトの目的、ターゲット、必須機能、ページ数、参考サイト、希望納期、予算上限を1枚の書類にまとめて各社に渡しましょう。
条件を揃えなければ「安く見える見積もり」と「高く見える見積もり」のどちらが妥当か判断できません。
3社以上から見積もりを取る
1社だけの提示額は妥当性が判断できません。
最低でも3社、できれば5社程度から相見積もりを取り、極端に安い・高い会社を除いた中央値を基準にするのが王道です。
初期費用だけでなくランニングコストで判断する
「初期費用無料」をうたうサービスでも、運用費用を含めた総額では割高になるケースがあります。
初期費用が無料でも、運用費用が有料で数年間で数十万円を請求されてしまうケースもあります。
制約や運用費用については必ず事前にチェックしましょう。
3〜5年間の総コストで比較することを推奨します。
制作実績と担当者との相性を確認する
自社の業界やサイト種類に近い実績があるかは品質を見極める重要な指標です。
また、Web制作は数か月にわたるプロジェクトとなるため、ディレクターとのコミュニケーションがスムーズかどうかも成功を左右します。
2026年のWeb制作トレンドと費用への影響
テクノロジーの進化は料金相場にも変化を与えています。
2026年に押さえておくべきトレンドを整理します。
AI活用による制作工程の効率化
生成AIによるデザイン案出しやコピーライティング、コーディング支援が一般化し、一部の工程は短縮される傾向にあります。
一方で、戦略設計や独自コンテンツ制作の価値は相対的に高まり、「単純な制作」と「戦略立案・コンテンツ設計」の価格差が広がる動きが見られます。
ノーコード・ローコードツールの普及
STUDIO、Webflow、Wixなどを使えば、シンプルなコーポレートサイトを30万〜80万円程度で制作可能です。
ただし複雑な機能やSEO要件には限界があるため、用途を見極めた選定が必要です。
SEO・コンテンツ投資の重要性
サイトを作っただけでは集客できないという認識が浸透し、コンテンツ制作・SEO設計への投資割合が増えています。
サイト設計や記事の制作など、SEO全般を依頼した場合、少なくとも100万円以上の支払いが必要とされ、制作費とは別枠での予算確保が一般的になっています。
まとめ:2026年のWeb制作は「総コスト×成果」で判断する
2026年のWeb制作料金相場は、依頼先・サイト種類・規模・業種によって10万円から数千万円まで幅広く存在します。
本記事の要点を改めて整理します。
- 依頼先別ではフリーランス10〜50万円、中小制作会社50〜300万円、大手100〜500万円以上が目安
- コーポレートサイトは50〜150万円、LPは10〜60万円、ECサイトは50万〜数千万円と幅広い
- 2026年はセキュリティ・モバイル対応・アクセシビリティ要件の高度化で標準価格が上昇傾向
- 小規模事業者持続化補助金で最大250万円までの補助が受けられる可能性がある
- 初期費用だけでなく、3〜5年間の総コストとサイトが生む成果で判断することが必須
最も避けるべきは、価格だけで業者を選び、成果が出ないサイトを作ってしまうことです。
Webサイトは「コスト」ではなく「将来の売上を生む投資」と捉え、自社の事業フェーズと目的に合った最適なパートナーを選定しましょう。
見積もりを取る前に、サイトの目的・ターゲット・必須機能・KPIを明確化することが、結果的に最もコスト効率の良い発注につながります。
本記事の相場情報を参考に、ぜひ複数社からの相見積もりと比較検討を進めてください。
