毎年発表されるトレンドカラーは、ファッション、インテリア、Webデザインなど、私たちの生活に関わるさまざまな分野に大きな影響を与えます。
2026年に注目されるのは、PANTONE「クラウドダンサー(Cloud Dancer)」とJAFCA「ハートフェルトピンク」の2色です。
クラウドダンサーは、PANTONEの歴史で初めて選ばれた“白”系のカラー・オブ・ザ・イヤー。静けさと余白の美しさを感じさせる柔らかなホワイトです。
ハートフェルトピンクは、JAFCA(日本流行色協会)が選ぶ2026年のメッセージカラー。前向きな変化や優しさを象徴するライトピンクとして発表されました。
どちらも“心を整える色”として、2026年のデザイン全体に確かな方向性をもたらします。
さらに、PANTONEはクラウドダンサーを軸にした7つの公式パレットも発表。Powdered Pastels(パウダードパステル)、Atmospheric(アトモスフェリック)、Light & Shadow(ライト&シャドウ)など、Web制作・グッズ制作・インテリアなど実務の現場でも活用しやすいラインナップとなっています。
この記事では、2026年のトレンドカラーの特徴、色データ、具体的な配色例、そして Web・ファッション・インテリアでの活用方法までわかりやすく解説していきます。
2026年の主要トレンドカラー
クラウドダンサー(Cloud Dancer)|PANTONE 2026年カラー・オブ・ザ・イヤー

PANTONEが2026年の Color of the Year に選んだのはクラウドダンサー(PANTONE 11-4201 Cloud Dancer)。
1999年にカラー・オブ・ザ・イヤーが始まって以来、初めて“白”が選出された記念すべきカラーで、「静かな内省」「心を整える余白」を象徴するカラーとして話題を集めています。
真っ白ではなく、わずかに温かみを含むオフホワイトのため、柔らかく上品な印象を与えるのが特徴です。情報過多な現代社会へのアンチテーゼとして、「シンプルさ」「マインドフルネス」「クリエイティブのための余白」を表現する1色として注目されています。
色データ
| 項目 | 値 |
|---|---|
| PANTONE | 11-4201 Cloud Dancer |
| カラーコード(参考値) | #EEEDE7 |
| RGB(参考値) | 238 / 237 / 231 |
| CMYK(参考値) | C 4 / M 3 / Y 8 / K 0 |
※ 厳密な色再現にはPANTONE公式のカラーガイドの参照を推奨します。
クラウドダンサーの活用例
【Webデザイン】
クラウドダンサーは“柔らかい余白”を生む背景色として非常に優秀です。
■ 活用ポイント
- 真っ白より優しく、読みやすく、上品な印象に
- UIカードの階層を自然につくり、情報が整理されて見える
- ミニマル・コーポレート・SaaS領域で使いやすい
- ダークモードと組み合わせるとコントラストが効く
■ おすすめ配色例
- クラウドダンサー × チャコールグレー(#333333)
→ 高級感と知性を感じるブランド表現 - クラウドダンサー × ダスティピンク(#E7D1D1)
→ 美容・女性向けサービスに柔らかさをプラス - クラウドダンサー × ミントグレー(#CFE2D7)
→ 医療・ウェルビーイングで清潔感と安心感を両立
【ファッション】
季節を問わず使える“ニュアンスホワイト”として万能なカラー。
■ 活用ポイント
- ミニマルで清潔感のあるスタイリング
- 淡色コーデのベースカラーに最適
- 白よりも柔らかく肌なじみが良い
■ おすすめ組み合わせ例
- クラウドダンサー × ライトグレー × シルバーアクセ
- クラウドダンサー × トープ(灰みベージュ)
- クラウドダンサー × ライトブルーデニム
【インテリア】
冷たさを感じさせない白として、インテリアでも高い人気があります。
■ 活用ポイント
- 壁や天井に使うと空間が広く、柔らかく見える
- 光の反射が優しいため、自然光との相性が良い
- 北欧・ナチュラル・モダンどのスタイルにも合わせやすい
■ おすすめ組み合わせ例
- クラウドダンサー × オーク材(木目)
- クラウドダンサー × ブラックマット
- クラウドダンサー × くすみブルー/グリーン小物
ハートフェルトピンク|JAFCA 2026年の色

JAFCA(一般社団法人 日本流行色協会)が発表した2026年のメッセージカラーはハートフェルトピンク(Heartfelt Pink)。
「希望・優しさ・幸福感・前向き・寛容」をキーワードとする、柔らかなライトピンクです。
JAFCAによれば、2026年は人々の気持ちが「静」から「動」へ移行する一年。活力・意欲という動的なイメージと、幸せ・寛容という柔らかなイメージをバランスよく併せ持つピンクが、変化を受け入れる心を優しく後押しする色として選ばれました。
甘さを抑えた軽やかな色味のため、プロダクト・Webサイト・ファッションでも取り入れやすいのが魅力です。
色データ(JAFCA公式)
| 項目 | 値 |
|---|---|
| HEX | #FFCCCC |
| RGB | 255 / 204 / 204 |
| CMYK(参考値) | C 0 / M 25 / Y 7 / K 0 |
| マンセル値 | 1.2R 8.3/3.9 |
| 系統色名 | ライトピンク |
ハートフェルトピンクの活用例
【Webデザイン】
アクセントとして使うと、優しさ・明るさ・親しみやすさが自然に伝わる色です。
■ 活用ポイント
- CTAボタンが押しやすい印象になる
- バナーや見出しの差し色に使いやすい
- クラウドダンサーとの相性が抜群
- 美容・ウェルネス・ライフスタイル系のブランドサイトに最適
■ おすすめ配色例
- ハートフェルトピンク × クラウドダンサー
→ 2026年トレンドの王道組み合わせ - ハートフェルトピンク × モカブラウン(#A47C6D)
→ 落ち着きと優しさを両立 - ハートフェルトピンク × グレージュ(#D8D2CC)
→ 大人向けブランドに最適な上品配色
【ファッション】
柔らかく温かいピンクは、大人でも普段使いしやすいトーンです。
■ 活用ポイント
- 春夏ワンピースの定番カラー
- ニットやカーディガンに取り入れやすい
- 小物使いでも一気に華やかになる
■ おすすめ組み合わせ例
- ハートフェルトピンク × アイボリー
- ハートフェルトピンク × ライトグレー
- ハートフェルトピンク × ライトブルーデニム
【インテリア】
「安心感」「幸福感」をテーマにした空間演出と相性が良い色です。
■ 活用ポイント
- クッションなど小物で取り入れやすい
- 寝室や子ども部屋のアクセントに
- クラウドダンサーと合わせて柔らかく上品な空間に
■ おすすめ組み合わせ例
- ハートフェルトピンク × クラウドダンサー × シルバー小物
- ハートフェルトピンク × 観葉植物のグリーン
- ハートフェルトピンク × ウッドベージュ
PANTONE公式が発表した2026年の7つのカラーパレット
PANTONEはクラウドダンサーを軸に、用途・ムード別に組み合わせた7つの公式カラーパレットを発表しています。それぞれが異なるシーンにフィットするため、ブランドや制作物のテーマに合わせて選ぶことができます。
各パレットの代表色についてはHEXコードを参考値として記載しています。厳密な色再現にはPANTONE公式のカラーガイドの参照を推奨します。
① Powdered Pastels(パウダードパステル)
淡いパステルとニュートラルカラーをクラウドダンサーと組み合わせた、最も柔らかなパレット。
ウェルネス・ライフスタイル・ミニマル系ブランドや、上品なパッケージデザインに最適です。
イメージ: 静か / 上品 / さりげない
おすすめ用途: 美容ブランド、ウェディング、ベビー用品、コスメ
Cloud Dancer
#EEEDE7
Lemon Icing
#F5E9C8
Nimbus Cloud
#D9D6D2
Raindrops on Roses
#F4D6D1
Ice Melt
#D5E5E1
Peach Dust
#F5D6BC
Almost Aqua
#C5DDD5
Orchid Tint
#D9C8D8
② Atmospheric(アトモスフェリック)
ライトブルーやソフトグリーンとクラウドダンサーを合わせた、空気感のある爽やかなパレット。
開放感・透明感を表現したい場合におすすめです。
イメージ: 透明感 / 開放的 / クリーン
おすすめ用途: SaaS、医療、清涼飲料、リゾート、サマーキャンペーン
Nantucket Breeze
#C9DCE0
Cloud Dancer
#EEEDE7
Alaskan Blue
#5C7E9C
Cosmic Sky
#A8B8C8
Aqua Gray
#9CB1AE
Regatta
#1F4060
Rinsing Rivulet
#7FA39C
Dusky Citron
#C4C078
③ Comfort Zone(コンフォートゾーン)
ナチュラルでアーシーな色とクラウドダンサーを組み合わせた、安心感あふれるパレット。
木材や石材などの自然素材を思わせるトーンで、リラックスできる空間や暮らしを表現できます。
イメージ: 温かみ / 自然 / 安心感
おすすめ用途: インテリアブランド、カフェ、オーガニック食品、住宅
Shifting Sand
#D6C9B0
Coral Haze
#E89A8A
Mountain Trail
#7B5A3F
Amberlight
#E0A56D
Ashes of Roses
#C9A8A1
Woodrose
#B07B6E
Rose Brown
#9D6B5C
Cloud Dancer
#EEEDE7
④ Light & Shadow(ライト&シャドウ)
柔らかな中間色から深いシャドウへとグラデーションするように設計されたパレット。
クラウドダンサーが「光」の役割を果たし、自然なコントラストと奥行きが生まれます。
イメージ: 洗練 / モダン / 奥行き
おすすめ用途: モード系ファッション、フォトギャラリー、ハイブランド
Cloud Dancer
#EEEDE7
Veiled Vista
#A8A095
Baltic Sea
#1F3A4F
Golden Mist
#C5A560
Quiet Violet
#827890
Cloud Cover
#B8B6B0
Hematite
#3D3936
Blue Fusion
#3F5D7B
⑤ Glamour & Gleam(グラマー&グリーム)
リップスティックレッド、ヴィンテージワイン、グラファイト、シルバーといった鮮やかな差し色とクラウドダンサーを合わせた、ドラマチックなパレット。
ハイファッションやエディトリアルデザインに向いています。
イメージ: ドラマチック / グラマラス / ヴィンテージ
おすすめ用途: 高級コスメ、ファッション誌、イベント、映像
Stretch Limo
#1A1A1A
Cloud Dancer
#EEEDE7
Scarlet Smile
#C0223D
Bordeaux
#5B1A2C
Dragonfly
#1B5E5A
Graphite
#3C3C3C
Satin Slipper
#E8DDD2
Micron
#9E9C9A
⑥ Take a Break(テイク・ア・ブレイク)
フルーツやスイーツを思わせる遊び心のあるカラーで構成されたパレット。
カジュアルで親しみやすく、エネルギッシュな印象を与えます。
イメージ: カジュアル / プレイフル / ポップ
おすすめ用途: カフェ、お菓子、子ども向け商品、SNSキャンペーン
Iced Coffee
#B8987A
Mango Mojito
#E8B65A
Cocoa Crème
#8C5A3B
Pink Lemonade
#F0A4B4
Tea
#A8B570
Papaya
#E8762D
Cloud Dancer
#EEEDE7
Caramel
#C8884C
⑦ Tropic Tonalities(トロピックトーナリティーズ)
ターコイズの海、シトラス系のフレッシュさ、トロピカルフラワーやエキゾチックな鳥を思わせる鮮やかなビビッドカラーで構成されたパレット。
白がキャンバスとして機能することで、鮮やかな色がより際立ちます。
イメージ: ビビッド / トロピカル / エネルギッシュ
おすすめ用途: サマーキャンペーン、リゾート、ファッション、ドリンク、エンタメ
Cloud Dancer
#EEEDE7
Iris Orchid
#7355A8
Capri
#1FA8C8
Kiwi Colada
#7AB45C
Sunny Lime
#D4D028
Bright Marigold
#E89B25
Paradise Pink
#E84C8A
Blazing Yellow
#F4D300
2026年トレンドカラーをデザインに取り入れるコツ
① ベースカラーは「クラウドダンサー」、アクセントに「ハートフェルトピンク」
2026年トレンドの王道は、クラウドダンサーを背景・余白に使い、ハートフェルトピンクを差し色として配置する構成です。
ホワイト × ピンクの組み合わせは「静」と「動」の両立を表現し、JAFCAが提唱する2026年のテーマにそのまま合致します。
② 60-30-10の配色比率を意識する
Webデザインや空間デザインで失敗しない配色比率の黄金ルールがあります。
- 60%(ベースカラー): クラウドダンサー(背景)
- 30%(メインカラー): ニュートラルなグレーやベージュ
- 10%(アクセントカラー): ハートフェルトピンク
この比率を守ることで、トレンドを取り入れつつ視認性と上品さを両立できます。
③ Webアクセシビリティに配慮する
クラウドダンサーやハートフェルトピンクのような淡い色は、コントラストが弱くなりがちです。
テキストや重要な要素に使う場合は、WCAGのコントラスト比基準(通常テキストは4.5:1以上)を満たすよう、文字色をしっかり濃く設定しましょう。
④ 印刷物では「淡色のかすみ」に注意
クラウドダンサー(#EEEDE7前後)やハートフェルトピンク(#FFCCCC)は、モニターと印刷物で発色の印象が大きく変わります。
名刺・パッケージ・チラシなどに使う場合は、必ず印刷見本(色校正)でチェックすることをおすすめします。
2026年のトレンドカラーが選ばれた背景
「静」を象徴するクラウドダンサー
PANTONEがクラウドダンサーを選んだ背景には、現代社会の「情報過多」と「ノイズ」への反応があります。
SNS・通知・ニュースなど、絶え間ない刺激に晒される現代において、心と空間に「余白」を取り戻すことの価値が再認識されています。
クラウドダンサーは、そうした静寂・リセット・クリエイティブのための余白を象徴する1色として選定されました。
「動」を象徴するハートフェルトピンク
一方、JAFCAは「2026年は人々の気持ちが『静』から『動』へ移行する年」と予測しています。
長引く生活不安の中で安心・安全を求める心理が続く一方、2025年の大阪・関西万博や日本初の女性首相の誕生といった象徴的な出来事が、社会に小さな前向きの芽を生み出しました。
こうした活性化の機運を象徴するのが、優しさと活力を併せ持つハートフェルトピンクです。
つまり、2026年のトレンドカラー2色は、「静と動」「世界と日本」「心の余白と前向きな変化」という2つの対比を表現しているのです。
2026年の「静と優しさ」をデザインに生かす
2026年のトレンドカラーは、クラウドダンサーの「静けさ・余白」とハートフェルトピンクの「優しさ・前向きさ」の対比が象徴的です。
どちらも日常に溶け込む穏やかな色で、Webデザイン・ファッション・インテリアとさまざまな領域で活用しやすいのが魅力です。
また、PANTONE公式の7つのカラーパレット(Powdered Pastels、Atmospheric、Comfort Zone、Light & Shadow、Glamour & Gleam、Take a Break、Tropic Tonalities)を活用することで、ブランドや制作物のテーマに合わせて、より豊かでニュアンスのある配色が可能になります。
2026年のデザインは「心地よさ」「前向きな変化」をテーマに広がっていきます。
今年のカラーを取り入れて、プロダクト・サービス・空間に新しい表現を加えてみてください。
■ 参照リンク
