WEBデザインの現場では、日々多くの専門用語が飛び交います。初心者デザイナーの方は「みんなが何を話しているのか分からない…」と感じることも多いでしょう。
本記事では、WEBデザイナーが現場で必ず遭遇する重要な専門用語を50個厳選し、分かりやすく解説します。用語を理解することで、チーム内でのコミュニケーションがスムーズになり、プロジェクトの進行効率も格段に向上します。
基本的なWEBデザイン用語
1. UI(ユーザーインターフェース)
意味: ユーザーが実際に操作する画面や要素の総称
使用例: 「このUIはもう少し直感的にしたいですね」
重要度: ★★★★★
UIは、ボタン、メニュー、アイコンなど、ユーザーが直接触れる部分を指します。見た目の美しさだけでなく、使いやすさも重要な要素です。
2. UX(ユーザーエクスペリエンス)
意味: ユーザーがサービスを利用する際の総合的な体験
使用例: 「UXを改善するために導線を見直しましょう」
重要度: ★★★★★
UXは、サイトの使いやすさ、満足度、効率性など、ユーザーが感じる全体的な体験を表します。UIがデザインの見た目だとすれば、UXはその背後にある体験設計です。
3. ワイヤーフレーム
意味: サイトの骨組みを示す設計図
使用例: 「まずワイヤーフレームを作成して構成を確認しましょう」
重要度: ★★★★☆
デザインに入る前に、ページの構造や要素の配置を決める重要な工程です。家の設計図のような役割を果たします。
4. モックアップ
意味: 実際のデザインに近い状態で作成された試作品
使用例: 「モックアップができたので確認をお願いします」
重要度: ★★★★☆
ワイヤーフレームよりも具体的で、実際の色やフォント、画像を使用した状態のデザインです。
5. プロトタイプ
意味: 実際の操作感を確認できる動作する試作品
使用例: 「プロトタイプで実際のユーザー操作をテストしてみましょう」
重要度: ★★★★☆
クリックやスクロールなど、実際の操作ができる状態のものです。FigmaやAdobe XDでよく作成されます。
UI/UXに関する用語
6. レスポンシブデザイン
意味: デバイスの画面サイズに応じて自動調整されるデザイン
使用例: 「このサイトはレスポンシブ対応が必須です」
重要度: ★★★★★
スマートフォン、タブレット、PCなど、異なる画面サイズでも適切に表示されるデザイン手法です。
7. ブレークポイント
意味: レスポンシブデザインでレイアウトが切り替わる境界点
使用例: 「ブレークポイントは768pxに設定しましょう」
重要度: ★★★☆☆
一般的には、スマートフォン(〜767px)、タブレット(768px〜1023px)、PC(1024px〜)などに設定します。
8. アクセシビリティ
意味: 誰もが使いやすいウェブサイトを作るための配慮
使用例: 「アクセシビリティを考慮して色のコントラストを調整しましょう」
重要度: ★★★★☆
視覚障害者や高齢者なども含め、すべてのユーザーが利用できるデザインを目指します。
9. ユーザビリティ
意味: サイトの使いやすさを表す指標
使用例: 「ユーザビリティテストの結果、ナビゲーションに問題があることが分かりました」
重要度: ★★★★☆
効率性、効果性、満足度の3つの観点から評価されます。
10. 導線設計
意味: ユーザーがサイト内をどのように移動するかを設計すること
使用例: 「コンバージョンを高めるために導線設計を見直しましょう」
重要度: ★★★★☆
ユーザーが目的を達成するまでのスムーズな道筋を作ることです。
レイアウト・デザインに関する用語
11. グリッドシステム
意味: デザインを整理するための格子状のガイドライン
使用例: 「12カラムのグリッドシステムでレイアウトを作成しましょう」
重要度: ★★★★☆
Bootstrapのような12カラムグリッドが一般的です。整然としたレイアウトを作るのに必須です。
12. フォールディングライン(ファーストビュー)
意味: スクロールせずに見える画面上部の領域
使用例: 「重要な情報はファーストビューに配置しましょう」
重要度: ★★★★★
ユーザーが最初に目にする重要なエリアです。ここで興味を引く必要があります。
13. ホワイトスペース(余白)
意味: デザインにおける空白部分
使用例: 「もう少しホワイトスペースを増やして読みやすくしましょう」
重要度: ★★★★☆
余白は単なる「空き」ではなく、デザインの重要な要素です。情報を整理し、視認性を高めます。
14. アスペクト比
意味: 画像や要素の幅と高さの比率
使用例: 「画像のアスペクト比は16:9で統一しましょう」
重要度: ★★★☆☆
一般的な比率には4:3、16:9、1:1(正方形)などがあります。
15. タイポグラフィ
意味: 文字のデザインや配置に関する技術
使用例: 「タイポグラフィにもう少しこだわってメリハリを付けましょう」
重要度: ★★★★☆
フォント選択、文字サイズ、行間、文字間隔などを含む総合的な文字デザインです。
技術的な用語
16. HTML
意味: ウェブページの構造を作るマークアップ言語
使用例: 「HTMLの構造を確認してからデザインに入りましょう」
重要度: ★★★★★
WEBデザイナーも基本的なHTMLの知識は必要です。
17. CSS
意味: HTMLにスタイルを適用するスタイルシート言語
使用例: 「CSSでこのアニメーションを実装できますか?」
重要度: ★★★★★
色、レイアウト、フォントなどの見た目を制御します。
18. JavaScript
意味: ウェブページに動きやインタラクションを追加するプログラミング言語
使用例: 「このスライダーはJavaScriptで動かしましょう」
重要度: ★★★☆☆
基本的な動作の理解があると、より実装可能なデザインが作れます。
19. CMS(コンテンツ管理システム)
意味: ウェブサイトのコンテンツを管理するシステム
使用例: 「WordPressのCMSに対応したデザインにする必要があります」
重要度: ★★★★☆
WordPress、Drupal、Movable Typeなどが代表的です。
20. SEO(検索エンジン最適化)
意味: 検索エンジンで上位表示されるための最適化
使用例: 「SEOを考慮したページ構造にしましょう」
重要度: ★★★★☆
デザイナーも基本的なSEOの知識は必要です。
プロジェクト管理に関する用語
21. スクラム
意味: アジャイル開発手法の一つ
使用例: 「このプロジェクトはスクラムで進行します」
重要度: ★★★☆☆
短期間での反復開発を行う手法です。
22. スプリント
意味: スクラムにおける開発期間の単位
使用例: 「今回のスプリントは2週間です」
重要度: ★★★☆☆
通常1-4週間程度の期間を設定します。
23. カンバン
意味: タスクの進捗を視覚的に管理する手法
使用例: 「カンバンボードでタスクの状況を確認しましょう」
重要度: ★★★☆☆
「未着手」「進行中」「完了」などの列にタスクを分類します。
24. MVV(Most Valuable Version)
意味: 最小限の機能で動作する製品
使用例: 「まずはMVPでリリースして、ユーザーの反応を見ましょう」
重要度: ★★★☆☆
最小機能での早期リリースを目指す考え方です。
25. ステークホルダー
意味: プロジェクトに関係するすべての関係者
使用例: 「ステークホルダーの意見をヒアリングしましょう」
重要度: ★★★★☆
クライアント、ユーザー、開発チームなどが含まれます。
制作ツール・技術用語
26. Adobe Creative Suite
意味: Adobeのデザインソフトウェア群
使用例: 「PhotoshopとIllustratorは使えますか?」
重要度: ★★★★★
Photoshop、Illustrator、XDなどが含まれます。
27. Figma
意味: ブラウザベースのデザインツール
使用例: 「Figmaでプロトタイプを作成しました」
重要度: ★★★★★
近年、デザイナーの間で急速に普及しているツールです。
28. Sketch
意味: Mac専用のデザインツール
使用例: 「SketchファイルをFigmaに変換してください」
重要度: ★★★☆☆
特にUI/UXデザイナーに人気の高いツールです。
29. Git
意味: ファイルのバージョン管理システム
使用例: 「デザインファイルもGitで管理しましょう」
重要度: ★★★☆☆
デザイナーも基本的な使い方を知っておくと便利です。
30. Zeplin
意味: デザインから開発者向けの仕様書を自動生成するツール
使用例: 「Zeplinでデベロッパーに仕様を共有します」
重要度: ★★★☆☆
デザインとエンジニアリングの橋渡し役をします。
WEBパフォーマンスに関する用語
31. 最適化
意味: ウェブサイトのパフォーマンスを向上させること
使用例: 「画像の最適化でページの読み込み速度を改善しましょう」
重要度: ★★★★☆
ユーザー体験と検索エンジン評価の両方に影響します。
32. 圧縮
意味: ファイルサイズを小さくすること
使用例: 「画像を圧縮してからアップロードしてください」
重要度: ★★★★☆
JPEGやPNGからWebPへの変換なども含まれます。
33. CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)
意味: コンテンツを高速配信するためのネットワーク
使用例: 「CDNを使用して画像の読み込みを高速化しました」
重要度: ★★★☆☆
CloudflareやAWS CloudFrontなどが代表的です。
34. Core Web Vitals
意味: Googleが定めたウェブページの品質指標
使用例: 「Core Web Vitalsを改善してSEOを向上させましょう」
重要度: ★★★★☆
LCP、FID、CLSという3つの指標で構成されます。
35. ページスピード
意味: ウェブページの読み込み速度
使用例: 「ページスピードインサイトでパフォーマンスをチェックしましょう」
重要度: ★★★★☆
Googleのツールで測定・改善提案が受けられます。
最新トレンドの用語
36. ダークモード
意味: 暗い背景色を基調としたデザイン
使用例: 「ダークモードに対応したデザインを作成しましょう」
重要度: ★★★★☆
目の疲労軽減やバッテリー節約効果があります。
37. マイクロインタラクション
意味: 小さな動きや反応によるユーザー体験の向上
使用例: 「ボタンにマイクロインタラクションを追加しましょう」
重要度: ★★★☆☆
ホバーエフェクトやローディングアニメーションなどが含まれます。
38. グラスモーフィズム
意味: 透明感のあるガラスのような視覚効果
使用例: 「グラスモーフィズムでモダンな印象を演出しましょう」
重要度: ★★☆☆☆
近年のトレンドデザインの一つです。
39. ニューモーフィズム
意味: 素材が浮き出ているような立体的なデザイン
使用例: 「ニューモーフィズムでボタンをデザインしました」
重要度: ★★☆☆☆
物理的な質感を表現する手法です。
40. デザインシステム
意味: 一貫したデザインのためのルールとコンポーネント集
使用例: 「デザインシステムを構築して効率化を図りましょう」
重要度: ★★★★☆
GoogleのMaterial DesignやAppleのHuman Interface Guidelinesが有名です。
カラー・画像に関する用語
41. カラーパレット
意味: デザインで使用する色の組み合わせ
使用例: 「ブランドカラーを基調としたカラーパレットを作成しましょう」
重要度: ★★★★☆
一貫性のあるデザインを作るために重要です。
42. コントラスト比
意味: 前景色と背景色の明度差
使用例: 「アクセシビリティのためにコントラスト比を4.5:1以上にしましょう」
重要度: ★★★★☆
WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)で基準が定められています。
43. 解像度
意味: 画像の精細さを表す指標
使用例: 「Retina対応のために2倍解像度の画像を用意しましょう」
重要度: ★★★☆☆
一般的にはピクセル数で表現されます。
44. ベクター画像
意味: 拡大縮小しても画質が劣化しない画像形式
使用例: 「ロゴはベクター画像で作成してください」
重要度: ★★★☆☆
SVGやAIファイルがベクター画像の代表例です。
45. ラスター画像
意味: ピクセルで構成される一般的な画像形式
使用例: 「写真はラスター画像なので適切なサイズで書き出しましょう」
重要度: ★★★☆☆
JPEGやPNG、WebPなどがラスター画像です。
その他の重要用語
46. A/Bテスト
意味: 2つの案を比較してより効果的なものを選ぶ手法
使用例: 「ボタンの色でA/Bテストを実施しましょう」
重要度: ★★★★☆
データに基づいたデザイン改善に必須の手法です。
47. ヒートマップ
意味: ユーザーの行動を視覚的に表した分析ツール
使用例: 「ヒートマップでユーザーの視線の動きを確認しましょう」
重要度: ★★★☆☆
どの部分がよく見られているかが分かります。
48. ペルソナ
意味: ターゲットユーザーの具体的な人物像
使用例: 「ペルソナを設定してユーザー中心のデザインを心がけましょう」
重要度: ★★★★☆
年齢、職業、趣味などの詳細な設定を行います。
49. カスタマージャーニー
意味: ユーザーが商品・サービスと接触する過程
使用例: 「カスタマージャーニーマップを作成して課題を洗い出しましょう」
重要度: ★★★★☆
認知から購入、継続利用までの流れを可視化します。
50. コンバージョン率
意味: 目標となる行動を起こしたユーザーの割合
使用例: 「デザイン改善でコンバージョン率を向上させましょう」
重要度: ★★★★★
売上に直結する重要な指標です。
まとめ
この記事で紹介した50の専門用語は、WEBデザイナーとして現場で活動する上で必要不可欠な知識です。すべてを一度に覚える必要はありませんが、プロジェクトに応じて段階的に習得していくことをおすすめします。
重要度★★★★★の用語から優先的に覚えることで、現場でのコミュニケーションがスムーズになり、より良いデザインワークができるようになるでしょう。
また、WEB業界は常に進化しているため、新しい用語や技術も継続的に学習することが大切です。この記事をブックマークして、必要な時に参照してください。