はじめに
オリジナルグッズを販売したいけれど、在庫を抱えるリスクは避けたい。そんな悩みを解決するのが「プリントオンデマンド(POD)」サービスです。注文が入ってから商品を製作・発送するため、初期費用や在庫リスクなしでグッズ販売を始められます。
この記事では、日本で人気の在庫なしグッズ販売サイトを徹底比較し、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。
プリントオンデマンドとは?
プリントオンデマンド(Print on Demand、POD)とは、顧客から注文を受けてから商品を製作・発送するビジネスモデルです。従来のグッズ販売では大量の在庫を抱える必要がありましたが、PODなら以下のメリットがあります:
- 在庫リスクゼロ:売れ残りの心配がない
- 初期費用不要:まとまった投資なしで始められる
- 商品管理不要:製作・発送はサービス側が担当
- テスト販売可能:少量から市場の反応を確認できる
おすすめ在庫なしグッズ販売サイト6選
1. SUZURI(スズリ)
運営会社:GMOペパボ株式会社
■「SUZURI」の特徴
- 専用オンラインショップですぐに販売できる(デザインに専念できる)
- 日本最大級のPODサービス
- Tシャツ、トートバッグ、スマホケースなど豊富な商品ラインナップ
- 簡単なデザインツールを内蔵
- SNS連携機能が充実
■「SUZURI」のメリット
- 高い認知度:ユーザー数が多く、自然流入が期待できる
- 豊富な商品種類:70種類以上のアイテムから選択可能
- 画面の操作性が良い:初心者でも簡単に商品作成可能
- 質の高い印刷:クオリティの高い仕上がり
- コミュニティ機能:他のクリエイターとの交流が活発
■「SUZURI」のデメリット
- 利益率が低い:送料が別途発生し、利益幅が小さい
- 競合が多い:人気サービスゆえに競争が激しい
- カスタマイズ制限:デザインの自由度に限界がある
■「SUZURI」の手数料・利益率
- 利益例(片面印刷Tシャツ・ロット1の場合):3,500円(売価)- 2,871円(原価)- 370円(送料・Tシャツ便)- 0円(サービス利用料)= 259円(利益)
- 原価高め
- サービス利用料無料
2. pixivFACTORY(ピクシブファクトリー)
運営会社:ピクシブ株式会社
■「pixivFACTORY」の特徴
- 専用オンラインショップですぐに販売できる(デザインに専念できる)
- イラスト投稿サイトpixivと連携
- アニメ・マンガ系のクリエイター向け
- 同人グッズ販売に特化
- イベント販売にも対応
■「pixivFACTORY」のメリット
- 利益率が高い:原価が安い為、利益幅が大きい
- pixiv連携:pixivの作品を直接商品化可能
- オタク文化に特化:ターゲット層が明確
- イベント対応:コミケなどのイベント販売サポート
- 高品質印刷:アニメグッズに適した印刷技術
- 専門的なサポート:同人活動への理解が深い
■「pixivFACTORY」のデメリット
- ターゲット限定:一般向け商品には不向き
- 商品種類やや少なめ:SUZURIと比較して選択肢が限定的
- 認知度:一般層への訴求力は限定的
■「pixivFACTORY」の手数料・利益率
- 利益例(片面印刷Tシャツ・ロット1の場合):3,500円(売価)- 1,650円(原価)- 400円(送料)- 103円(サービス利用料)= 1,347円(利益)
- 原価低め
3. ClubT(クラブT)
運営会社:株式会社ClubT
■「ClubT」の特徴
- 専用オンラインショップですぐに販売できる(デザインに専念できる)
- 老舗のPODサービス
- Tシャツを中心とした豊富なアパレル商品
- デザインテンプレートが充実
■「ClubT」のメリット
- 豊富なアパレル商品:ラグランTシャツなどの特殊加工も選べる
- カスタマイズ性:サイズ、色の選択肢が豊富
- テンプレート充実:デザイン初心者でも使いやすい
- 法人対応:企業のノベルティ制作も可能
- 長い運営実績:信頼性が高い
■「ClubT」のデメリット
- アパレル中心:雑貨類の選択肢が少ない
- デザインツール:やや古いインターフェース
- マーケティング機能:集客支援機能が限定的
- 若年層への訴求:ややターゲットが限定的
■「ClubT」の手数料・利益率
- 利益例(片面印刷Tシャツ・ロット1の場合):3,500円(売価)- 1,900円(原価)- 550円(送料)- 0円(サービス利用料)= 1,050円(利益)
- サービス利用料無料
4. BASE(ベイス)+ 外部POD連携
運営会社:BASE株式会社
■「BASE」の特徴
- 後々、有在庫運営化も可能(利益率が高い)
- 独自ブランドでの販売が可能
- ネットショップ作成サービス
- 外部PODサービスと簡単に連携可能
(UP-T、ME-Q
、オリジナルプリント.jp、Printful、SWEAT.jp 等)
- 多様な決済方法に対応
■「BASE」のメリット
- 集客機能:SEO対策やSNS連携が充実
- 拡張性:POD以外の商品も同時販売可能
- カスタマイズ自由:ショップデザインを自由に設定
- 多様な連携:複数のPODサービスと連携可能
■「BASE」のデメリット
- 集客必要:自分で集客する必要がある
- 設定複雑:初期設定に時間がかかる
- 手数料二重:BASE+PODサービスの手数料
- 運営工数:ショップ運営の手間がかかる
5. Printful(プリントフル)+ 各種ネットショップ連携
運営会社:Printful, Inc.(海外)
■「Printful」の特徴
- 海外展開に強い
- 世界最大級のPODサービス
- 豊富な商品ラインナップ
- BASE、Shopify、WooCommerce、Amazon等、多くの人気ECサイトと簡単にネットショップ連携が可能
■「Printful」のメリット
- グローバル対応:世界中に商品発送可能
- 商品種類豊富:500種類以上の商品
- 高品質:欧米基準の品質管理
- API連携:自社ECサイトとの連携が容易
- サンプル注文:事前に品質確認可能
■「Printful」のデメリット
- 海外サービス:日本語サポートが限定的
- 送料高い:海外からの発送で送料が高額
- 納期長い:国際配送で時間がかかる
- 為替リスク:ドル建て価格で為替変動の影響
6. 17LIVE SHOP(イチナナライブショップ)
運営会社:17LIVE株式会社
■「17LIVE SHOP」の特徴
- ライブ配信者向けのグッズ販売
- ファンとの交流を重視
- 配信と連動した販売が可能
- アジア圏での展開
■「17LIVE SHOP」のメリット
- ライバー特化:配信者とファンを繋ぐサービス
- ファン向け:熱狂的なファンへの販売が可能
- 配信連動:ライブ配信中の販売促進
- アジア展開:アジア圏での販売も可能
■「17LIVE SHOP」のデメリット
- 限定的:ライブ配信者以外には不向き
- 認知度:一般的な認知度は限定的
- 競合:インフルエンサーマーケットは競争激化
- 依存リスク:プラットフォーム依存のリスク
選び方のポイント
1. 商品ラインナップで選ぶ
アパレル中心なら:SUZURI、ClubT
雑貨も豊富なら:SUZURI、BASE+外部POD連携
アート作品なら:pixivFACTORY
2. ターゲット層で選ぶ
一般向け:SUZURI、ClubT
オタク文化:pixivFACTORY
法人向け:BASE+外部POD連携、Printful+EC連携
3. 利益率で選ぶ
利益重視:pixivFACTORY、BASE+外部POD連携
手軽さ重視:SUZURI、pixivFACTORY
4. 集客力で選ぶ
自然流入期待:SUZURI、pixivFACTORY
自分で集客:BASE+外部POD連携
コミュニティ活用:pixivFACTORY、17LIVE SHOP
成功のコツ
1. ターゲット層を明確にする
どのような人に商品を買ってもらいたいかを明確にし、そのターゲット層が多く利用するサービスを選びましょう。
2. 継続的な商品投入
一度商品を作ったら終わりではなく、継続的に新しいデザインや商品を投入することが重要です。
3. SNSとの連携
Twitter、Instagram、TikTokなどのSNSを活用して、商品の認知度を高めましょう。
4. 季節性を考慮
季節やイベントに合わせた商品展開を行うことで、売上アップが期待できます。
5. 品質へのこだわり
価格だけでなく、品質にもこだわることで、リピーターの獲得に繋がります。
まとめ
在庫なしでグッズ販売できるプリントオンデマンドサービスは、リスクを抑えながら創作活動を収益化する優れた方法です。それぞれのサービスには特徴があるため、自分の目的やターゲット層に合わせて選択することが成功の鍵となります。
初心者には使いやすさと認知度の高いSUZURIがおすすめですが、より高い利益率を求める場合は、BASE+外部POD連携も検討してみてください。商品を訴求したいターゲット層によっては、pixivFACTORYや17LIVE SHOPがバッチリとハマる可能性もあります。どのサービスを選ぶにしても、継続的な取り組みとマーケティングが成功への道筋となるでしょう。